SHC オンライン登録
「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「小児C型慢性肝炎に対するシメプレビル併用したインターフェロン療法の治療成績」

 C型肝炎ウイルス感染症患者の治療は、直接作用型抗ウイルス剤(DAA)の開発とともに、新しい時代に入りました。小児でもいくつかの臨床試験が行われ、2017年4月には米国食品医薬品局(FDA)により12歳以上の小児患者に対する2つのC型肝炎治療薬が初めて承認されました。しかし、DAAの入手が難しい発展途上国などでは、まだインターフェロンによる治療が主流です。

 これまで慢性C型肝炎の小児に対するシメプレビル(SMV)を併用したインターフェロン(IFN)療法の研究報告はありませんでした。

 私たちは2011年から日本国内の小児B型肝炎・C型肝炎の患者を対象としたオンライン登録システム(http://kidhbvhcv.jp/index.php)による全国調査を行っています。今回はその症例登録からゲノタイプ1型の慢性C型肝炎の小児に対してSMV/IFN療法を行った6症例を検討しました。

 2016年12月までに18歳未満の6症例が3剤併用療法を行いました。使用薬剤の内訳と治療期間は、SMV/ペグインターフェロン(PEG-IFN)α-2a/2b/リバビリン(RBV)を12週投与、その後PEG-IFN/RBV12週投与:5例、残り1例はSMV/PEG-IFN α-2b/RBV24週投与後PEG-IFN /RBV 24週投与でした。

 4週間以内陰性化率(RVR)は83%(5/6)でした。そして、治療終了後24週(SVR24)のウイルス学的著効率(SVR)は100%でした。治療を中止するような重篤な副作用は認めませんでした。

 SMV/IFN併用療法は、ゲノタイプ1型のC型慢性肝炎の小児において高い有効性と耐容性を示しました。小児では直接作用抗ウイルス療法(DAA)が研究されていますが、DAAがまだ承認されていない国での治療の選択肢として利用できると考えられます。

【出典】
  • 筆者:Suzuki M, Minowa K, Tajiri H.
  • タイトル:Interferon-based Simeprevir Therapy for Pediatric Patients with Chronic Hepatitis C Viral Infection.
  • 掲載雑誌:Ann Hepatol. 2018.8
  • Pubmedリンク先