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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「日本の小児慢性C型肝炎に対するペグインターフェロン治療に関するレビュー」

 最近10年間に子供のC型慢性肝炎の治療は大きく進歩しました。具体的には、ペグインターフェロンやリバビリンの導入、IL28B遺伝子多型rs8099917 (TT/TG/GG) の遺伝子型検査が挙げられます。

 私たちが平成23年から25年にかけて全国18施設より収集した小児C型肝炎ウイルス感染者のデータベースから、2004-2013年にC型慢性肝炎と診断されペグインターフェロン単独治療グループ(18例)とペグインターフェロンとリバビリンの併用治療グループ(84例)を抜き出して、検討しました。また、インターフェロン治療が効きにくいジェノタイプ1型に感染した患者さんのIL28B遺伝子多型も調べました。

 治療が著効した症例の割合(SVR率)は、ジェノタイプ1型に感染した患者さん(45例)で、ペグインターフェロン単独治療グループ100%(ただし2例のみ)、ペグインターフェロンとリバビリンの併用治療グループ72%(43例中31例著効)でした。

 ジェノタイプ2型に感染した患者さん(57例)では、ペグインターフェロン単独治療グループ75%(16例中12例著効)、ペグインターフェロンとリバビリンの併用治療グループ100%(41例全例著効)でした。

 IL28B遺伝子型で治療が効きやすいタイプの方は、SVR率も高くなりました(88%)。これらの治療法による有害事象は同程度発生しました。

 どちらの治療も治療効果や副作用は同等で、小児慢性C型肝炎に有効です。また、成人と同じくIL28B遺伝子多型はインターフェロン治療の効果を予測するのに有用なツールであることが明らかになりました。

【出典】
  • 筆者:Suzuki M , Tajiri H, Tanaka Y, Takano T, Miyoshi Y, Murakami J, Shimizu T, Brooks S.
  • タイトル:Peginterferon Therapy in Children with Chronic Hepatitis C: A Nationwide, Multi-center Study in Japan, 2004-2013.
  • 掲載雑誌:J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2016 Jan 27.
  • Pubmedリンク先:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26825765