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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

「若年発症肝細胞がんを発症した小児B型肝炎ウイルス感染者の特徴」

 子供さんのB型肝炎ウイルス感染者のごく一部に、肝硬変や肝細胞がんを発症することがあります。私たちは、平成23年から25年にかけて全国18施設より収集された小児B型肝炎ウイルス感染者のデータベースを使って、30歳までに肝細胞がんを発症した方の臨床的特徴について調べました。
 B型肝炎ウイルス感染者546例のうち、11例 (2%) のがん患者さんが見つかりました。男児が多く (女児は1例のみ)、ウイルス型が調べられた5例はすべてC型でした。悪性疾患に罹ったことあるなど、何らかの基礎疾患があった子供さんは4例でした。がんと診断された年齢は9-25歳、診断時に医療機関に通院していたのは5例のみで、定期的に通院せず症状が出てから肝細胞がんが見つかった6例は治療成績も良くありませんでした。
 がんの早期発見には継続的な診療が大切です。通院を続けるよう患者さんとご家族の意識を高め、小児科と内科も積極的に連携していくことが必要です。

【出典】
  • 筆者: 筆者:高野智子、乾あやの、牛島高介、三善陽子、虻川大樹、宮川隆之、藤澤知雄、田尻仁
  • タイトル:30歳までに肝細胞がんを発症した小児期B型肝炎ウイルス感染者に関する臨床的検討
  • 掲載雑誌:肝臓56巻1号 Page18-20.