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「小児期のウイルス性肝炎の病態解明と治療の標準化に関する研究」

代表者挨拶

 世界的には、ウイルス肝炎の感染者は多く、肝硬変,肝がんで死亡する患者さんもB型肝炎だけでも年間78万人とも言われています。わが国でも成人のB型肝炎,C型肝炎の患者はいまだに多く、肝がんに対する治療を受けている方が多数おられます。小児の分野では、B型肝炎に対しては1985年からワクチンによる予防が始まり、母子感染による小児B型肝炎ウイルス感染者は10分の1に減りました。また小児C型肝炎のほとんどは母子感染ですが、血液製剤の肝炎ウイルス感染スクリーニングが始まり減少しております。しかしながら、B型肝炎では母子感染および水平感染(父子感染を含む)が毎年100人単位で発生しております。
 C型肝炎も予防方法がないため、毎年やはり100-200人前後の乳児が感染して、持続感染者になっていると推定されています。
 B型肝炎は、小児期から肝細胞がんを発症する例があり、青年期から成人にかけて次第に発がん患者が増えていることが想定されます。肝炎の持続は肝硬変への移行、発がんの可能性が高くなり、治療が必要になる症例があると考えております。一方、C型肝炎は小児、青年では、肝病変は進行しないものの、ウイルス肝炎のキャリアであることは患者本人に心理的あるいは社会的なハンディをもたらしており、慢性感染症として社会人になる前に治療することが理想的であると考えております。
 このように、小児期のウイルス性肝炎の診断や治療は成人とは異なる特徴があり、小児独自の診断や治療のガイドラインが必要と考えられます。本研究班では、わが国の小児のデータを基にして、最新かつ有用な診療ガイドラインを作成することを主な目的として活動しております。